活動報告

  1. TOP

5/17勉強会報告「東ティモール地域保健プロジェクト ~take offに向けて~」

5月の勉強会担当はチームBiPH(樋口倫代、石本馨)。海外プロジェクト立案に先駆けて実施した海外調査の結果をご紹介し、立案に向けての課題や方向性を検討しました。

 

 

まずは、今回の調査に至った経緯と、問題提起。

 

BiPHは海外事業として東ティモールでの地域保健プロジェクトを計画しています。テーマは「PHCレベルで保健データの質を向上させること」。発端は東ティモールとラオスでの経験でした。現地のニーズが政府やNGOのプロジェクトに正しく反映されていない現実。

 

原因はニーズのつかみ方=保健データのとり方?つかんだデータの使い方??それとも伝え方???

BiPHはそれらの中からデータのとり方と使い方に着目し、PHCレベル(保健センターなど住民に直接関わる機関)での保健活動の現状調査と、住民・職員・他関係者へのインタビューを行いました。

 

 

調査を通してわかったことは、データのとり方よりも使い方に気になる点があったこと。

例えば、身長・体重・血圧を測っても、それらが患者さんに伝えられていなかったり、「血圧が高いですね~。塩分のとりすぎに注意しましょうね~」などの指導がなかったり。

 

また、集められたデータがうまく活用されていない現実も見られました。例えば、住民の保健データが集まれば、「〇〇地区の住民は他地区と比べてBMI値の高い人が多いのはなぜだろう」など、地域の現状を理解してそれをヘルスプロモーションにつなげることが可能です。しかし、調査した地区ではそれがされていない・・・。

 

東ティモールは独立間もない国ゆえか、保健活動を担う人材を育てるシステムがまだうまく機能していない現状もわかりました。

 

 

勉強会の参加者からは東ティモールの現状について質問が寄せられた一方、「日本の保健師さんもデータに基づいた指導やプロモーションをする人は少ない。現場レベルの人に期待するのは難しいのでは?」という意見もありました。

 

BiPHは保健人材の育成に貢献できるプロジェクトをしたいと思っています。今回いただいたご質問やご意見は、より良いプロジェクトにするために役立つことばかり。チームBiPHとしてさらに検討していきたいと思います。

 

ご参加くださった皆様、ありがとうございました!!!

 

TOP