活動報告

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【3/26勉強会報告】

3月26日は、愛知医科大学看護学部教授の坂本真理子さんのお話でした。坂本さんは、名古屋市の保健師として勤務し、その時に海外青年協力隊に現職派遣された経験をお持ちです。そして、1996年からは看護学部に教員として勤務しておられます。BiPHの理事でもあります。

 

 

今回は、2012年から愛知県知立市で取り組んでおられる外国人住民支援に関するフィールド研究、そしてそれに伴う活動のお話をしていただきました。知立市は、外国人住民が多い愛知県の中でも外国人住民割合が上位の自治体です。坂本さんが研究を開始した頃(2011年末)は6.1%、2019年には7.6%という高さです。(ちなみに2019年の全国では2.3%)坂本さんがフィールドにしたA団地では住民の6割が外国人とのことです。

 

増えている外国人住民への対応について、「保健師のみでは外国人保護者への効果的な情報提供の課題は解決できない。いかに外国人コミュニティ、地域に存在する保健医療福祉機関やNPO/NGO等の関係機関・支援者たちと協働するかという視点が重要だ!」という思いから、研究を開始したとのこと。

 

1つめの研究プロジェクトでは、キー・インフォーマントへの聞き取りや、外国人保護者への質問票調査とともに、既にコニュニティに存在していたNPOとの協働で、「多文化子育て支援活動みらいJr.」を開始したそうです。また、2つめのプロジェクトでは「多文化に対応する子どもと親のための健康教育ハンドブック」を開発しました。

 

 

内容はそれぞれの国の言葉とやさしい日本語で書かれています。さらに、漢字にはフリガナがふってあります。いろんな使い方ができそうですねw

 

 

みらいJr.のコアメンバーは責任者と複数のサブ責任者に加えて、保育責任者やスタッフを兼ねる通訳、そして坂本さんです。はじめのうちこそ、研究費で絵本の提供などしたり、助成金の申請を手伝ったりすることもあったそうですが、すぐに自分たちで助成金を次々と獲得するようになったとのこと。坂本さんは「そういう人材が豊富だったから、自分はほとんど何もしていない。」と言いますが、そういう人びとをつなぐことのできる坂本さんのお人柄がうまく作用したことは間違いないでしょう。

 

 

質疑応答も非常に活発に行われ、ていねいにお答えいただきました。抜粋して2つあげたいと思います。

 

 

Q. みらいJrに参加するお母さんの中からリーダーが生まれ、その中からCHWが出る可能性はあるか?
→ 今頭に浮かんだ人は、こういう方が地域にたくさんいたら地域が変わっていくんだろうな、と思えるような人。ただ、ほとんどのお母さんは家計のために働いているので、まったくのボランティアとして無料でおねがいするのは難しいかもしれない。通訳をしている人には、通訳謝金を支払っている。

 

 

Q. 当事者の声を政策に生かすにはどのような方法があるか?
→ 児童センターに通訳がいると行きやすいというような、小さい声をどうやってあげていくかということだと思う。メンバーたちがいい関係を作っていったこともあるが、愛知県の事業を引き受けた時に行政からのアプローチがあったり、行政の共生プランの策定に入り込むことで意見が言えるようになったこともある。また自分のような第三者が伝えることもある。スタッフの家族に行政マンがいたり、議員さんを巻き込んで議会で発言してもらうということもある。正論だけでなく、いろいろな角度から手を替え品を替えアプローチしていくということだと思う。

 

 

終了後のアンケート回収率も高く、ほとんどの方が、「とても分かりやすかった」と回答していました。コメントも多く寄せられましたが、こちらもひとつシェアします。

 

 

「その地域出身者ではない坂本さんだからこそ、このような地域活動ができたのではないかと感じました。また、そのような立場であれば可能となる参加型アクションリサーチとしてぜひ活動内容を論文または報告書にしていただけると、他地域で同様の活動を試みたいと考える方にとても有効な資料になりそうです。」

 

 

日本で、特に愛知県(外国人住民割合が全国2位)で生活する外国人の生活や健康についてはBiPHで引き続き取り組んでいきたい課題です。

坂本さん、ありがとうございました。そして、引き続きよろしくお願いいたします。

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