【報告:第55回勉強会「日本における国際協力NGO-地域におけるNGOの関わり」】
7月27日の寺子屋は、公益財団法人アジア保健研修所(通称AHI)の事務局長である林かぐみさんにお話いただきました。
AHIは1980年設立された、日進市にある国際保健NGOです。日本の国際保健NGOの中では老舗、大手と言えるでしょう。
国際保健NGOと言ってもAHIは海外プロジェクトを持っていません。実施しているのは人材育成や相互理解促進の事業です。そしてモットーは「自立のための分かち合い 人びとから人びとへ アジアの胸を借りて学ぶ」
国際協力では近年、プロジェクト型からパートナー型へと言われるようになってきていますが、林さんは笑いながら「AHIははじめからそうだから。」と。メインの事業である「国際研修」は住民主体の保健活動を起こし、支えていくアジアの保健ワーカーを、毎年秋に5-6週間AHIに招いて行う参加型研修ですが、研修期間にとどまらないパートナーシップを各国で確立しています。
この国際研修のお話も出ましたが、今回「寺子屋」でお願いしたのは、国際研修をメイン事業にしているAHIが国内活動、特に地元では何をしているの??という点です。まずご紹介いただいたのは、AHIのことは小6の社会の教科書に取り上げられているということ(以前は中1の英語の教科書にも)。
それから、国際研修の機会を利用してさまざまな形で行っている、オープンハウスをはじめとするさまざまなイベントを紹介していただきました。これらのイベントや支援者とのつながりを通してアジアの人たちとの交流、学び合いを提供しています。国際研修と国内活動はつながっていて、現地の地元の人々<->研修生が所属するNGO<->AHI<->支援者 という軸を中心に、活動を展開しているとのことです。
最後に、この38年間で大きく変わったアジアの状況を踏まえたこれからのことを次の3点にまとめて下さいました。
- 「NGOが担う」から、「多様なアクター、分野との連携」へ
- 「あるもの」から「機能するもの」にしていく役割へ
- 「AHI自身が発信する」から「ネットワークづくり」へ
貴重なお話でしたが、参加者が少なかったのが残念でした。しかし、初めての方、久しぶりの方、常連さんといらして、ざっくばらんに話しながら進めた会となりました。今年の国際研修を1ヶ月後(8月25日から)に控えたお忙しい中、ありがとうございました!