【11/29てらこや報告】現場と研究をつなぐ架け橋として
11月29日のてらこやは、毎年恒例のBiPH活動報告と年次総会の2部構成で行いました。
第1部はBiPHの今期の活動報告会として、1月から研究協力機関として関わっている、東ティモールの母子栄養に関する名古屋市立大学の研究プロジェクトを紹介しました。
また、このプロジェクトに共同研究者として参加している高井久実子さん(日本福祉大学教員、BiPH会員)から、8月に実施した現地調査の様子をお話しいただきました。
東ティモール政府が発行している最新のデータ(Timor-Leste Food and Nutrition Survey 2020)によると、5歳未満の子どもの発育阻害(Stunting)の有病率は47.1%で、近隣諸国と比べても格段に高い数値となっています。このプロジェクトでは、子どもの発育阻害に関連する要因を、社会・環境・行動の面から明らかにし、子どもの栄養改善に向けた実践的な方法を探ります。いくつかあるサブプロジェクトのうち、今回は公的調査データの二次分析結果と、8月に実施した疫学調査の一端をご紹介いただきました。
8月の疫学調査では、共同研究機関のパーツ大学公衆衛生・医療科学部の学生が実際の調査を行い、同学部の教員や卒業生が高井さんと共に指導&バックアップしました。
学生には事前研修を行いました。調査のために使う器材は日本から送りました。
その後2人一組になって各家を回りました。学生にとってはハードワークでしたが、訪問先では歓迎されたとのこと。良い経験になった様子です。
学生が収集したデータを、教員と高井さんとで点検します。これも大変そう。
高井さんのお話をお聞きして、現地の教員や学生の保健データマネジメントに対する意識が、実際の研究プロジェクトを通して高まってきていることを知りました。BiPHがJICA草の根事業で行った支援が徐々に根付いてきた感じです。今後は2025年1月に質的調査を行う予定とのことですので、BiPHも協力機関としてバックアップしていきたいと思います。高井さん、今回も貴重なお話をお聞かせ下さりありがとうございました。
第2部の年次総会も開催され、昨年度の事業報告と新年度の事業計画が承認されました。感謝とともに、今後とも引き続きお支え下さいますようお願いいたします。