活動報告

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【9/27てらこや報告】多文化共生はひとりひとりの自覚から

 

9月27日の勉強会のテーマは「心で感じる多文化共生ワーク ~インクルーシブ防災の理想と現実の乖離からマジョリティへのアプローチを考える~」で、磯貝明美さん(Diversity&Inclusion Nishi Tomo代表)にお話しいただきました。Nishi Tomoは多国籍市民団体として、地域に暮らす様々な国から来た方との交流を図りながら、清掃ボランティアや、楽しいイベントなどを行い、地域に共に暮らす人々を繋ぐきっかけづくりの活動をしています。磯貝さんはNishi Tomoの代表として各種のイベントを主催するほか、防災アドバイザーとして、地域での防災講座だけでなく、外国人市民や聴覚障害者など対象の特性に合わせた防災講座なども開催しています。ちなみに、普段は市役所で外国人市民へのやさしい日本語での対応、文書のやさしい日本語訳等を担当しています。

 

勉強会ではまず、マジョリティ・マイノリティの定義、マジョリティの無自覚性とそれが生み出す構造的差別の問題を、ゲームを通して学びました。例えば外国人住民や障害のある方の生きづらさを作っているのは本人の問題ではなく社会の側の問題であること、そしてそれを作っているのはマジョリティ側の無自覚さなのだ、ということがわかりました。

 

マジョリティ・マイノリティを問わず「誰もが安心安全に暮らせる社会」を作るためにはどうしたらいいのか。磯貝さんがその手段の一つとして提案したのが「やさしい日本語」です。やさしい日本語は阪神淡路大震災をきっかけに外国人のために開発されたものですが、災害時だけでなく平時でも、さらに言えば子供・高齢者・障害のある人など、いろいろな人にわかりやすい日本語として注目されています。勉強会では、やさしい日本語にするコツ(「はさみの法則」ほか)を踏まえて、実際に文章を作る体験もしました。

 

 

今回の勉強会は、このような体験ワークだけでなく、磯貝さんのスライドや話し方そのものが、実はやさしい日本語になっていました。磯貝さんのお話は心に響くものでしたが、やさしい日本語がそれに一役買っていたのかもしれません。やさしい日本語を受け手として体験できたことが、勉強会での大きな収穫でした。

 

インクルーシブ防災という考え方は、過去の教訓から来ています。防災減災の正しい知識と情報を、誰もがわかる形で届けることが大切で、その手段のひとつとしてやさしい日本語が役立つことが理解できました。

 

 

 

もう誰も取り残されたくない、取り残したくない、そのためにできることを、一人一人が自分ごととして考える時ですね。磯貝さん、参加して下さった皆さん、ありがとうございました!

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