活動報告

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【第65回勉強会報告:日本に暮らす海外ルーツの人達の医療アクセス】

3月27日の勉強会は新型コロナウィルス関連で予定会場が使えず、インターネットを使った遠隔セミナーとなりました。

こんな感じです。

テーマは「日本に暮らす海外ルーツの人達の医療アクセス」。多文化ソーシャルワーカーと通訳の立場から関わっている神田すみれさんをお招きしました。


多文化ソーシャルワークは、海外ルーツの人が自国の文化と異なる環境で生活することにより生じる心理的・社会的問題に対して、ソーシャルワークの専門性を活かし、相談から解決まで継続して支援すること。通常のソーシャルワーカーの役割である相談援助に加え、関係機関に相談者の本国の状況を理解してもらうことや、相談者が日本の機関や制度を正しく理解したうえでサービスを利用したり、安心した生活ができたりするよう支援します。

海外ルーツの人が直面する問題は各自で異なるので、支援もその人に合わせて行うとのことです。例えば、同じ問題を抱えていても、解決のために使える手段は在留資格や在留期間によって異なります。また、病気や障害に対する考え方や、医師をはじめとする医療職者との関係も、その人の文化的背景によって異なります。多文化ソーシャルワーカーは、海外ルーツの人に対しては代弁者・擁護者の役割を果たし、その一方、医療職者には彼らの母国の文化や背景、外国人特有の問題について情報提供します。近年では、精神疾患を持つ方も増えてきており、その方々が安心して受診できるよう、双方向に慎重に対応することが求められます。


神田さん曰く、最近は多文化ソーシャルワーカーの存在が少しづつ認知されるようになった半面、「彼らに任せておけば大丈夫」と丸投げされることもしばしばある、とのこと。そうではなく、連携チームの一員として、早期から相談者本人や専門家と一緒に問題解決に当たることが大切とのことでした。

神田すみれさん(左)のお話にMC樋口も興味津々

参加者のおひとりから感想メールをいただきましたので、ご紹介します。

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多文化ソーシャルワーカーの存在を初めて知りました。
また、医療通訳についての現場での話も大変興味深かったです。
私たちにとっては当たり前と思っていることでも、 育った国によっては様々なとらえ方がある事を再認識させられました。
多文化ソーシャルワーカーは愛知県が全国で初なんですね。
私の住む自治体には残念ながらありませんでした。

これは愚痴みたいなものですが、「お・も・て・な・し」とか特別な事はいらないので、 私たち日本人ひとりひとり、外国にルーツを持つ方への意識が変わり、 社会全体が当たり前に、人と人として認めあい支えあえる世の中になるといいのにな…と思いました。
私も微力ながらコツコツと活動していきたいです!
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今回は初のネット開催で戸惑った反面、県外在住の方が参加してくださったり、口頭だけでなくチャットでの質疑応答が盛り上がるなど、思わぬ反響がありました。

実はネット開催については、神田さんから多大なアドバイスをいただきました。貴重なお話もさることながら、勉強会の運営方法の新たな可能性も教えてくださった神田さん、そして、初の遠隔勉強会に参加してくださった皆さん、ありがとうございました!


次回は5月29日(金)テーマは「海外事業キックオフ」BiPHの海外事業をご紹介します。お楽しみに!

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