【職員研修】アドボカシーの重要性
3月14日(土)はAHIさんと合同の職員研修会。講師に稲場雅紀さん(アフリカ日本協議会:保健分野コーディネーター)をお招きしました。話題はUHCとアドボカシー、そして、NGOや市民社会の役割へと広がりました。
稲場さんはアフリカ日本協議会での活動の他、SDGs市民社会ネットワーク、G20に向けた市民社会プラットフォームなどで、政府への政策提言のとりまとめをしています。さらに、外務省とNGOの協議体であるGII-IDI連絡会のメンバーでもあり、数々の場でNGOや市民グループと、行政をつなぐ役割を果たしています。
稲場さん曰く、NGOには「実施」と「提言」という2つの役割があるとのこと。NGOが市民に起きている問題に対し、直接働きかけることと、NGOが活動を通して得た知見を生かして、政府に提言すること。NGOはこれらを両輪で進めていくことが必要である、とのことです。
例えばUHC(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ)
政策を作る側は、「国民の8割がカバーできればOK」と考えがちですが、それでは本当に必要な人がふるい落とされてしまいます。例えば「日本は医療保険があるからUHCは実現している」という人もいますが、実際は在日外国人、LGBTQ、障害者、日雇労働者、無戸籍者などは医療保険から漏れている人も少なくありません。
ふるい落とされてしまう恐れのある2割の人達の健康問題に対して活動しているNGOは多いですね。でも、現場で活動するだけでなく、「私たちが見た現実はこうです。だからこそ、これらの人も含めてすべての人の健康がカバーできる仕組みを作りましょう!」と政策策定者に理解させることも必要です。これがアドボカシーであり、NGOの大切な役割である、とのことでした。
9月には稲場さんを囲んでの勉強会「てらこや」をする予定です。どうぞお楽しみに!