活動報告

  1. TOP

【勉強会報告】第63回勉強会 EPA(経済連携協定)ベトナム人看護師候補者の移動労働の現状と未来

話題提供者は当法人理事でもある近藤麻理さん(関西医科大学)。11月22日の年次総会後に勉強会を開きました。


EPAは貿易の自由化だけでなく、人的交流の拡大、知的財産の保護など多様な分野で経済関係の強化を定めた協定で、この中には看護師や介護士の受け入れも含まれています。現在はインドネシア・フィリピン・ベトナムの3か国から看護師候補者を受け入れています。

EPA看護師候補者(以下、候補者)の滞在期間は3年間で、この間に3回の看護師国家試験を受験することが可能です。万が一3年の間に合格できなかったとしても、プラス1回はチャレンジ可能とのこと。応募者の出身国によって応募条件・母国での事前研修・来日後の研修期間が異なりますが、共通するのは全員が母国の看護師免許を有していること。そのうえで、日本の看護師免許取得を目指し、数々の関門を突破して来日します。近藤さんはベトナムの候補者への事前研修や来日後の研修に携わっていることから、候補者の様子や日本での同僚となる病院の職員さんの様子をシェアしてくださいました。


近藤さん曰く、候補者のほとんどは看護師としてのキャリアアップなど、自分の夢と自己実現のために日本に行くことを希望しているとのことで、「お金のため」という人は聞いたことが無く、それだけの目的ではないようです。

また、研修内容は日本語だけでなく、日本の看護師が日常業務として行っている看護技術やチーム医療・職業倫理などもあり、研修実施者や候補者を受け入れる日本の医療機関も含めて、国家試験合格にとどまらず、その先の安心安全な看護の提供に向けて支援体制をとっていることがわかりました。


実際は候補者を受け入れる日本の病院の負担も大きいのですが、近藤さんによると、受け入れた経験のある病院では、継続して受け入れを希望することが多いとのこと。患者さんの国際化に対応する力が備わったり、看護師のワークライフバランスが変化するなど、候補者とともに働くことは、日本の看護師や医療従事者にとってもメリットが大きいようでした。


移動労働が世界的な潮流となっている昨今、日本でも外国ルーツの看護師さん(や他医療従事者の方々)と関わる機会は増えています。彼ら彼女らがどんなプロセスを経て目の前にいるのか、そんなことを今一度想像してみませんか?


ということで、近藤さん、貴重な経験をシェアしてくださり、ありがとうございました。そして、参加者の皆さん、お疲れさまでした。

話が面白かったので、勉強会の写真を撮るのを忘れてしまいました。

なので、終了後のお食事会のショットをw

会場近くのカフェで、名物のオムライス

交流会ではよりホンネの部分が・・・w

左が話題提供者の近藤さんです。お酒を呑んでいい雰囲気・・・に見えますが、手にしているのはただの水w

TOP