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【7/26勉強会報告】

今回は榎木美樹さんをお招きしました。

テーマは「多様性の中の統一 ~量的研究と質的研究の両方を経験した私が選んだのは?~」

学生時代にインドと出会い、その後日本とインドで仏教学・経済学・社会学を学び、外務省・JICA・NGOで活動、現在は大学教員となっている榎木さんですが、一貫しているのはインドの不可触民への熱い思い。その思いがほとばしるかのような熱いお話でした。

統計を扱う研究所ではフィールドでの量的調査に携わりましたが、その結果、質的な世界で生きたい自分に気が付き、現在は質的研究の手法でインドの不可触民を中心とした地域研究に。

そこに至るプロセスのお話もおもしろく、そして、内容も厚すぎて、ああ、とても書ききれませんw

榎木さんは量的研究を決して否定していません。量的研究の強みは行政への提言や政策策定につながることと明言。だからこそ、データを取る際の状況や、回答者の背景に十分配慮し、回答者の真の気持ちに寄り添うことが必要だとわかりました。

数々の学びと経験を積んだ榎木さんですが、それゆえか、「専門は何ですか?」と問われることが多いとのこと。そんなとき、榎木さんは”inter-discipline”と答えるそうです。”multi-discipline”ではなく、”inter-”であると。「さまざまな問題が複雑に絡み合う不可触民制をなくすために、単一ではなく、さまざまな知識・経験をつないで多角的な視座で活動する」interにはそんな思いが込められているのかな?と感じました。(榎木さん、間違っていたらごめんなさい)

活動にあたって榎木さんが心掛けていることも参考になりました。現地語を話し、寝食を共にする。その中での葛藤も活動につながります。

多彩な面を持つ榎木さんらしく、今回の参加者もいろんな背景を持つ方が集まりました。中にはご自身の専門性に悩む研究者の方もいて、榎木さんのお話にインスパイアされたようでした。

榎木さん、熱い時間をありがとうございました。そして、参加者の皆さん、お疲れさまでした!

次回の勉強会は9月12日(木)、スピーカーは宇井志緒利さん(立教大学教員)です。お楽しみに!

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